潜水艦のステルス性

ステルスというのはソナーなどから探知されにくくするための軍事技術の総称です。潜水艦が敵に探知されるとしたら音響・電波・磁気・目視によるもの。

 

潜水艦にステルス性を持たせるのなら、これら要素をいかに対策していくかがポイントになります。

 

潜水艦というのは「究極のステルス兵器」とも装されるほど、ステルス性(隠密性)においては長けています。

 

そのステルス性のおかげで水上を航行する軍艦ではできないような敵哨戒網の突破や敵制海権下での活動などが可能になるわけです。

 

一般に原子炉の熱や音により隠密性が低いといわれる原子力潜水艦でも、シーウルフ級以降開発されたそれは通常動力と変わらない静粛性だといわれています。

 

静粛性

通常動力型の潜水艦は静粛性が高く、熱も音も感知されにくいです。任意に内燃機関を停止させてバッテリ駆動で潜航することもできるという強みがあります。

 

ただし『原子炉』を使用している原子力潜水艦は簡単には止めれません。止めたとしても核分裂が続きますので動力を動かして冷却し続けなくてはならないのです。なので原潜は隠密性では劣るといわれるのです。

 

潜水艦のソナー対策

警戒すべきはソナーによる探知ですが、それは外殻外面に振動吸収素材を貼り付けてアクティブ・ソナーの水中波を吸収するようにすることで対策しています。

 

とくにステルス性が重視されている潜水艦では耐圧殻をチタン製にすることで、船体に磁力をまとわせず、ソナーに捕まらないようにしています。

 

目視対策

まず電波と目視に関しては潜航するだけで対策になります。これが潜水艦が昔からステルス兵器として重宝されてきたまず1つの理由。

 

音響対策

そして音響に関して。ソナーには相手の雑音を探知するパッシブソナーと、音響信号を発してその反響を探知するアクティブソナーがあります。パッシブソナーに対しては船体の静粛性を高めること、アクティブソナーに対しては音波を吸収する表面加工を行ったり、反響を反らせる形状にするなどして対策を行います。

 

磁気対策

磁気に関して。潜水艦では耐圧殻をチタン製にすることで、船体に磁力を極力まとわせず、ソナーに探知されないようにしています。また船体にまとった磁力は専用の施設(消磁所)で定期的に除去しています。このことを船体消磁と呼び、一種のステルス技術として知られています。