潜水艦が空母の役割を担う?
潜水艦の中でも異質な存在である「潜水空母」について、その実態や開発目的などを紹介しています。
潜水空母とは
空母というのと通常誰もが艦船を思い浮かべるでしょうし、実際存在する空母の全ては艦船なのですが、かつて潜水艦でありながら空母としての役割を担った存在があります。
それは潜水空母といわれており、太平洋戦争中に大日本帝国海軍が開発を行ったものが有名です。
潜水艦は高い隠密制を有していましたが、追尾ミサイルなんかない当時の技術水準では攻撃力が圧倒的に不足していることが問題視されていました。
そこで潜水艦に航空機を積んで攻撃力を付加してやろうという発想から生まれたのが潜水空母であり、大日本帝国海軍の伊四百型潜水艦になります。
潜水空母というのはあくまで俗称であり正式にこういった呼称の艦種があるわけではありません。
潜水空母の問題点
しかし潜水空母も以下のような問題を抱えていた為、実用性が非常に低かったのが問題でした。
- 航空機発着の際に浮上が不可欠であり、その際に隠密性が損なわれる。
- 潜水艦内は狭く、十分な搭載機数を積めない。
- 航空機の積載前提で設計することによる船体の肥大化
などなど。日本帝国海軍の伊四百型潜水艦は実戦投入前に終戦したので、結局使われずじまいで廃棄処分でしたが、使われていたとしても、どれだけの戦果があげられたのかは疑問です。